大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)131 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人牟田真の上告理由第一、二点について。

記録によれば、上告人が本件土地建物代物弁済予約の無効事由として主張すると

ころは、所論引用の原判決事実摘示に記述された錯誤の主張に帰するものと認めら

れ、所論昭和三四年四月二三日付準備書面第七項記載の事実が右と別異の主張を構

成するものとは認められない。されば、原判決が本件土地建物代物弁済予約が上告

人の錯誤によるものとは認められない旨判示したことは、まさに上告人の主張に応

答したものというべく、したがつて、原判決には、当事者の主張を看過し、判断を

遺脱した違法はなく、また、釈明権行使の懈怠があつたものとはいえない。所論は

採用できない。

同第三、四点について。

原審の証拠関係に照らすと、上告人が訴外Dを代理人として訴外Eの被上告人に

対する債務を担保するため本件土地建物につき代物弁済予約等の合意をした旨なら

びに上告人主張の錯誤の点は認め難い旨の認定はいずれも是認できる。右認定に対

し異を唱える所論は、原審が裁量の範囲内において適法にした証拠の取捨判断なら

びに事実認定を非難するにすぎない。

また、当事者の申し出た証拠が唯一の証拠でないかぎり、申出の採否は事実審の

自由裁量に属するものであるから、原審が上告人の所論鑑定の申出を採用しなかつ

たからといつて、原判決に採証法則違背、審理不尽の違法あるものとはいえない(

ことに、原審の確定したところによれば、上告人は本件弁済予約等の約諾はすべて

Dを代理人としてなさしめたというのであるから、当該契約書たる甲第一号証の一

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中の上告人の氏名の表示が自署であるか否かを鑑定により確定することは、証拠の

評価ないし事実認定上さして必要でないものと認められる)。�

所論は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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